かつおのまち 枕崎

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カツオ学入門【 第2章 資源と生態 】③

❏習性
エサ・・・肉食性で小魚や甲殻類、頭足類など小動物を捕食する。

自然環境・・・海面上に浮上するのは、餌を探すためで、時間や風、天気によって大きく異なる。
比較的潮流に強く、風に弱い。そのため南風や南西風の場合釣獲が良好になりやすく、曇天で風力1~3の南風の場合鰹日和と言われる。 一方、降雨になると群れの浮上がなくなる。
水温や水質にも敏感で、水温が1℃でも変化したり、水の色が少しでも濁ったりすると、進路を大きく変える。低水温に弱く、水温15℃以下の海域に侵入することはなく、濁水を嫌う。

群れ・・・先頭を泳ぐカツオに群れ全体が整然と追随する事が多い。先頭を泳ぐカツオが沈降すると群れ全体も瞬時にいなくなることもよくある。
仲間意識が強く、同じカツオ類のみで群れを形成することが多い。仲間同士で連携し、隊列を組んで飛びながら、水面付近を浮遊する小魚を集めて餌床をつくる。また、警戒心も強く、天敵であるカジキ類を確認すると海中下層に沈降したり、暗礁に隠れたりジンベイザメの腹部や状況によっては漁船にも付遊する。
極度の恐怖を感じると3日も食餌しないこともある。

食餌・・・日常的に活きた餌を捕食し、その良否を選択する能力が強い。
天然の活餌を追尾しているときには、漁船から撒かれた餌を捕食しないことがある。
また疑似餌には飛びついても、死んだり弱ったりした餌には食いつかないカツオもいる。

視聴力・・・視力が良く、透明度の高い水域で積極的な索餌を行う。
テグスを認識したり、小さい活餌を素早く発見したりする程、鋭敏な視力がある光に対しても敏感で、強力な直射日光を嫌うことから、昼や夏季の漁獲が少ない。 聴力は、視力ほどの鋭さはない。

❏群れの形態
①島付きカツオ群・・・大海に点在する島嶼付近で潮流のよく通る海域に滞留 。環境に大きな変化がない限り、離れようとしないため老年のカツオが多い。
②瀬付きカツオ群・・・曾根付きカツオ群れとも呼ばれ、大海の暗礁付近で活発な潮流がある海域に棲息 。この群れも、環境に大きな変化がない限り、離れようとしないため老年のカツオが多い。
③野天カツオ群・・・通りガツオとも呼ばれ、大海を自由に回遊。日本では、春から夏にかけて北上するカツオは上りガツオ(昇りカツオ)と、秋に入って南下するカツオは下りガツオや戻りガツオと呼ばれる。