かつおのまち 枕崎

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カツオ学入門【 第2章 資源と生態 】②

❏生態
行動範囲
高度回遊性魚種であるカツオは太平洋、大西洋、インド洋の北緯40度から南緯40度までの広い帯状の水域に住んで、いつも群れをなし、季節によって移動する。
太平洋のカツオは太平洋中央水域で生まれ、一年ぐらいのうちに南太平洋と北太平洋に分かれて移動を始める。
北太平洋のカツオは黒潮に乗って回遊しながら成長し、3~4年で太平洋中央水域(南洋諸島付近)に帰り、卵を産むと考えられる。
カツオが回遊する海域の環境は①水温17~30℃、②比重1.024~1.026の水域
日本沿岸における回遊
日本では太平洋側に多く、日本海側では稀。
19~23℃程度の温かい海を好み、南洋では一年中見られるが、日本近海では黒潮に沿って春に北上し、秋に南下という季節的な回遊を行う。
回遊距離は年間2,500kmにもおよぶため、その体型はスマートで、他の魚に比べ非常に機能的で泳ぎやすくなっている。

日本沿岸に棲息するカツオは、南太平洋で生まれ、3つのルートで日本近海へやって来るとみられる。
①黒潮本流にのり、南西から伊豆沖へ
②小笠原海域からまっすぐ北上して紀伊沖へ
③黒潮本流と小笠原海域の中間を東北に進み伊豆沖へ
伊豆近海で合流し、太平洋を東北沖へ進むといわれ、これを釣ったものが初ガツオと言われる。
夏に黒潮と親潮とぶつかる三陸沖まで北上し、秋に親潮の勢力が強くなると南下する。 この南下するカツオは戻りガツオ、又は、くだりカツオと呼ばれ、低い海水温の影響で脂がのっている。 時期は一般的に秋の味とされる。
北上するのが初ガツオ  南下するのが戻りガツオ

産卵と成長
・生後1年で40cm前後、2年で65cm前後、3年で70cm前後、4年で75cm前後に成長。1歳をすぎる頃には産卵が可能となり、成長とともに産卵する季節や海域が変化する。
 小・中型が北緯22度から南緯24度までの海域で登記を中心に10月から翌年3月までに産卵し、大型のものは北緯35度から南緯15度までの海域で夏季を中心に4~9月に産卵。
 フィリピン水域では冬が中心だとの説があり、ほぼ周年、あちこちで産卵していることになる。
 卵は、一回で30~70万粒、直径0.9~1.1mmの球形、水温27℃前後で約25時間で孵化する。孵化直後の仔魚は全長2.6mm前後で、全世界の温帯から熱帯海域に広く分布し、水温25℃の等温線に囲まれた海域で、南日本沿岸が北限。
・雄と雌の見分けは外見からはほとんどわからず、通常は腹を開いて、卵巣か精巣を確認するしかない。
・共食いをよくし、大きなカツオが小さなカツオを食べることはよくある。
それ以外の天敵は、キハダマグロやビンチョウマグロなどのマグロ類、カジキ類、サワラ類などの大型の肉食性の魚。

異常肉
・ゴリガツオ・・・イシガツオや大根ガツオとも呼ばれる。おろす時の骨離れはいいが、身が硬く、青白くなっている。生で食べると、生臭い。原因は不明。
・ミッズオ(枕崎の方言。水魚、水っぽい魚の意味)・・・肉がゼリー状になっていて、ジェリーミートと呼ばれ、魚の身が溶けた状態のことを言う。 原因は①生理状態によるもの、②酵素の働きによるもの(寄生虫が出すタンパク質分解酵素が筋肉の中に溶け出し、肉も溶かすからという説もある)
・脂の少ないギチと脂の多いドブ。鰹節の原料としては、脂肪分が多すぎても少なすぎても良くない。生肉中の脂肪含有率が2%のものが最適とされる。

寄生虫
・テンタクラリア・・・白い米粒状のものが多数入っているので目につきやすい。人体に寄生はしない。
・カツオ糸状虫・・・まれに筋肉部分に寄生。白色の糸状で50cmにもなる。
・アニサキス・・・人がカツオを生食して幼虫が胃腸に入ると、消化液から逃れて筋肉内へ移動しようとして、粘膜に噛みつく場合はかなり痛い→加熱・冷凍すると死滅する。